アニサキス自己防衛術
激痛となるアニサキス症は何としても避けたいわけで、そこでアニサキス自己防衛術を書かなければなりません。ちなみに治療ですが、胃内感染の初期段階では、開腹手術もしくは上部消化管内視鏡(胃カメラ)を使って消化管粘膜上の虫体を確認し、鉗子で虫体を取り除く方法があります。虫体を取り除けばすみやかに症状が果然することが多いのです。
また、ステロイド系抗炎症薬を投与すると、駆虫しなくても症状が軽快する例も報告されています。小腸寄生の場合は、腸閉塞になって開腹手術に至る症例もあります。
さてとにかく予防です。とにかくアニサキスの宿主を食べない、それも生食しないことが何と言っても確実です。生食は一番危険なのです。熱処理するなら60℃で1分以上の熱処理が求められます。長時間の冷凍をすることでも感染リスクは減少します。
厚生労働省の指導では、冷凍温度は、日本産が-20℃以下で24時間以上、オランダ産ニシンも-20℃以下で24時間以上、米国産生食用の魚は-35℃以下で15時間、または-20℃以下で7日間、EU産生食用海産魚は、-20℃以下で24時間以上となっています。
よく噛んで食べるというのは予防効果の期待出来ない方法です。アニサキスの虫体は強靱で普通の咀嚼では噛み切れません。また、ショウガ、ワサビ、ニンニクなどの薬味、酢による殺虫というのも効果はありませんので、覚えておきましょう。